これまで紙の書籍派だったが、最近、電子書籍との使い分け術が自分のなかで構築されつつある。
電子書籍で読むもの
ビジネス書や自己啓発など仕事にまつわる書籍はとりあえず電子書籍で。特にkindle unlimitedで、書店では見逃してしまうような本との出会いを楽しんでいる。繰り返し読みたい、付箋を貼ってまた見返したい言葉や文章がある本に出会ったら、改めて紙で買うようにしている。
これは漫画も同様だ。巻数が多いものは書棚を埋めてしまうため、電子書籍に助けられているが、繰り返し読みたい自分にとっての不朽の名作は結局買ってしまう。
また、電子書籍はメモをとりながら読みやすい点も魅力だ。紙の本の場合、本が閉じないよう片手でページを押さえながらメモをとらなければならないのが、プチストレスだから。その点、電子書籍なら該当のページを開いたまま手軽にメモを取れる。
ただ、難点はkindleアプリのライブラリが見づらいことだ。いまいち本の整理がうまくできず、すべてがごちゃっと並んでしまって、目的の本を探しにくい。やろうと思えばタグづけで整理はできるけれど、いちいちそれをするのがめんどうで続かない。
紙の書籍で読むもの
そして小説は基本的に紙で。あとエッセイも。なんといっても、いま自分が物語のどのあたりにいるのか、現在地をとらえやすいのがいい。
話が広がりすぎてとっちらかっているのに残り30ページくらいしかないことに驚かされたり、久しぶりに登場したキャラクターが何者だったか思い出せなかいときにパラパラと前のページに戻ったり。たしか右ページのこのあたりに書かれていたなと、「場所」で記憶できる。ページを感覚的にとらえられるのが紙の書籍の良さだ。
とここまで書いたが、何よりやはり、私は本というものの物質的な佇まいが好きだ。すべてを電子書籍に切り替えず、紙の本を買い続ける理由はこれにつきる。書棚に並べて偶然の出会いをいつか自分の子どもに提供したいという夢もある(このあたりはまた今度記事にしようと思う)。
表紙の手触り、見返しの色、あえて選ばれたものたちが物語とどのようにリンクし、その世界観をどのように体現しているのか、作り手の意思に思いを馳せるのも楽しい。
また、触感にアプローチできるのは自由度の高い単行本のみだが、実はフォーマット化された文庫本こそ個性が凝縮されている気がしていそれもユニークなところだ。
サイズも紙も固定化され選択肢のないなかで、すなわち制約があるからこそ、どのようにその作品を表現するのか、一球入魂感が好きだ。個性が定型サイズに真空パックされている感じといったらいいだろうか。
せっかくなので最後に、最近kindle unlimitedで読んで、実際に紙の本を買おうと思っているものを紹介しよう。
20代のときに読んでおきたかったと思った一冊。もちろん30代のいまからでも遅くはないが、ここに書かれていることをあのころに実践していたら、きっといまとは違う自分になっていただろう。
いつか小商いをやりたいという夢がある人にぜひ読んでほしい一冊。店を続けるコツをあますことなく公開してくれている。取り扱う商材はさまざまで、自分のロールモデルにできる店が見つかるはず。そしてどのお店も訪れたくなる。
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